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OLIPHANT, Laurence
Narrative of the Earl of Elgin's Mission to China and Japan in the Year 1857, '58, '59
beautifully rebound in marbled bosrds, spine gilt ornamented, raised bands. morobbo label gilt lettered to spines.

L・オリファント
『エルギン卿中国・日本使節報告集』

著者オリファントは、英国の著述家・旅行家で、エルギン卿が日本及び中国へ赴くに際して秘書となった人物。アロー号事件に始まる第1巻は、その後の英清関係の推移から特使派遣の必要に迫られ、開国政策を取り初めた日本への訪問をもかねて、エルギン卿を代表とする遣清団一行が組織されたいきさつから筆を起こしている。ロンドンからシンガポール経由で中国へと向かった一行は、北京に至って清国政府要人と折衝を重ね、天津条約を締結する。その後一行は清国内を見聞することになるが、著者は第1巻の後半を東アジアを巡るロシア、日本、アメリカなど新勢力の分析と将来の事態の予測に充てている。第2巻は日本の風景を絶賛する文章で始まる。一行は江戸へ向かい、幕末の高揚した市中の雰囲気を感じながら外交交渉にあたった。著者は幕府要人達よりも活気溢れる江戸庶民に共感と希望を抱いたらしく、生活風習に見られる独自性の中に日本人の長所を見いだしている。日本と中国の伝統、習慣、風俗、政治体制等に関する特筆すべき考察をちりばめた東洋紀行と呼べよう。