特色
★ 本絵図は正確な東海道絵図では、現存、最古のもので、天和初年(一六八一)頃作成の絵図である。
★ その測量は延宝期に幕府が実施したと考えられ、この原図をもとに手書き・彩色して作成された実測図で、方位・距離が正確に表現された絵図(分間絵図)である。
★ 本絵図は巻子本(巻物)十巻に収められ、幅五四センチ・全長一四八メートル余の長大な手書き絵図であり、当時の東海道が詳細に把握できる。
★ この原図を元に元禄三年刊、遠近道印作・菱川師宣絵「東海道分間絵図」(「東海道綱目分間之図」)やその他の手書き絵図が多数作成されているが、始点がみな日本橋であるのに対して、本絵図は江戸城から描かれているなど、もっとも原本に近い絵図と考えられている。
藤井六郎兵衛作成の可能性も考慮される。
★ 他の多くの街道図に比べ、道路設計図と透視図を併合した描き方に特色がある。
■ 本復刻本は五〇パーセントに縮小し、使いやすく二冊に収載した。