商品コード: ISBN4-7603-0175-5 C3321 \50000E

江戸後期・諸国産物帳集成・第8巻 [飛騨・山城・紀伊・大和]

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50,000円    (税込:55,000円)
第8巻 飛騨・山城・紀伊・大和
〈2000/平成12年6月刊行〉

◎富田禮彦編『斐太後風土記(20巻)』
◎黒田道祐『雍州府志、巻6、土産門上』
◎『山城草木志』
◎仁井田好古等編『紀伊続風土記、巻97: 物産部』


巻8巻の内容・序にかえて

本巻には飛騨、山城、紀伊三国の産物資料四点を収めた。

一、富田禮彦編『斐太國後風土記』(一八七三)
国立公文書館、内閣文庫 一七四・一九一
飛騨國、三郡四一三ケ村の村毎の地誌(全二一巻)で編纂は明治初年であるが、江戸末期の状況を伝えるものとして、ここに収録した。ただし、産物の部分のみ。記載されたものは、人々に有用のものが中心で、植物名五五○種、動物名一九五種、金石名九八種である。したがって、山野草や虫などの小動物は欠不十分であるが、それでもなお当時の自然の、とくに川魚の豊さを窺うに足る貴重な資料である。

二、黒川道祐著『雍州府志』(一六八四)巻六土産
国立公文書館、内閣文庫 一七二・一四七
本書の成立は江戸中期に属し、本集成の対象とする時期「江戸後期」とはずれるが、この時期の数少ない地域別の産物資料であるので、収録した。山城國内の薬品五三種、造醸部三四種、菓木六七種、諸魚一一種、諸鳥一一種、竹木七種、土石一○種、金玉一三種について各解説を付す。道祐は安芸出身の医師で、『芸備國郡志』(一六六三)など地誌、紀行文を多く残した。なお「雍州」とは中国の洛陽に因んで山城国をそのように呼んだものであろう。

三、『山城草木志』
西尾市立岩瀬文庫 二三・九八
本書の著者および成立年ともに記載がないが、山本元夫氏によれば、これは元「山本読書室」の蔵書で、山本世孺(亡羊)の五男、秀男(一八二三|七三)が、山本読書室がたびたび行なった山城国内の植生調査のデータを取り纒まとめたももであろうという。約一、○○○種の草木名がいろは順に配列され、漢名と一部観察地点が添えられている。本書は、一九八五年に北村四郎博士と山本元夫氏により「京都園芸」八二集に紹介されている。

四、仁井田南陽(好古)著『紀伊国続風土記』(一八三九)巻九三|九七物産部
国立公文書館、内閣文庫 一七五・一九九
本書は紀伊国の地誌で、一八○六年から三三年をかけて完成した全一九三巻の大著ある。その巻九三乃至九七に動植物が納められている。その名称には、古書にみられる呼称や紀州の方言、薩摩、山城などの呼び名などが添えられたものも多くあり、名称の数は、植物二九○○、動物二一○○の多数を数える。南陽は紀州徳川家に漢学者として仕、多くの著書がある。

以上、貴重な資料の複写、刊行をご承諾いただいた国立公文書館内閣文庫ならびに西尾市立岩瀬文庫にたいしまして厚くお礼申し上げます。

二○○○年四月みどりの日
編者識 
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