商品コード: ISBN4-7603-0184-4 C3321 \50000E

江戸後期・諸国産物帳集成・第17巻 [肥前・日向・大隅・薩摩]

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50,000円    (税込:55,000円)
第17巻 肥前・日向・大隅・薩摩
〈2004/平成16年7月刊行〉

◎木崎盛標『肥前洲産物圖考』
◎五代秀堯『三國名勝圖會』
◎樺山資雄等『地理纂考』
◎平部?南『日向地誌』
◎佐藤成裕『周游雜話(附録・薩州産物録)』
◎木村孔恭『薩摩州蟲品(附録・日向大隅琉球諸嶌)』
◎市川正寧『南嶋志』

                                            
第十七巻の内容・序に代えて

一、肥前州産物圖考    独立行政法人国立公文書館 一七六・九一
 全八冊。木崎盛標(一七一二生)著。盛標は唐津藩士、領内を巡検の際各種産業の作業状況の詳細を彩色図入で記録した。それらの内、馬牧?駒捕、捕鯨(一七七三年)、石炭・焼き物、鹿狩?鷹巣、鵜飼、イルカ漁、鯛網、紙漉(一七八四年)、布晒し、鋳物、線香を八冊に纏めたものが本書である。その全文を再録した。盛標の著にはこのほかに『柳南鯨記』、『唐津産業絵巻』などがある。

一、三国名勝圖會     国立国会図書館  二二四・一六六
 五代秀堯、橋口兼柄撰、一八四三年序。鹿児島領三国、薩摩・大隅・日向(諸県郡)の地誌。全六十巻の大著。一二二郷ごとに詳細に郷の明細が記述されている(物産の内、松、杉、?、櫨および穀類は略すとある)。明治維新後の一九○五年に刊行された。その物産の部分を採録した。秀堯は鹿児島藩儒。

一、地理纂考    独立行政法人国立公文書館 一七六・一五一
 樺山資雄等編。一八七一年序。『三国名勝圖會』編集の二八年後、同様の様式でやはり郷毎に編まれた旧鹿児島領三国、薩摩・大隅・日向(諸県郡)の地誌。その物産の部分を採録した。『三国名勝圖會』の発行後、約三○年間の変化の詳細を見ることができる貴重な資料である。樺山資雄は薩摩藩士、他に『笹狭考』、『山陵遺考』などの著がある。
一、日向地誌      国立国会図書館 五九四・一一六
 平部?南(一八一五~一八九○)著。平部?南は旧飫肥藩家老、維新後の一八七六年宮崎県の依頼により、日向地誌の編集に着手、八年をかけて、当時の五郡(宮崎郡、那珂郡、児湯郡、臼杵郡、諸県郡)三七六ヶ村を実地調査して、一八八四年全、県下の村誌と郡誌を完結した。
 この地誌は、一八七二年九月、新政府の太政官が全国府県に村誌・郡誌の調査編集を示達した「皇国地誌」*の一環として書かれたものと考えられる。本書が刊行された一九二九年頃には、その経緯は忘れられていたのか、序文「日向地誌の刊行を見るまで」の中には、そのことには全く触れられていない。本書の編序が、太政官が示した「皇国地誌」のパターンに一致しているから、間違いないと思われる。
 なお、全国府県から政府に提出された「皇国地誌」の稿本は、残念なことに、一九二三年の関東大震災の際に消失した。府県によってはその控え稿本を刊行したところがあり、日向地誌もその一つである。但し、末尾の数丁が欠落している。
 各郡村の記述の内、林野・原野・鉱山・物産の項目を採録した。
*「皇国地誌」については、福井保(一九七四)「府県史料の解題と内容細目」(『北の丸』二号)を参看されたい。

一、周游雜話(附薩州?物録)        国立国会図書館 二三二・二○二
 佐藤成裕(滕中陵)(一七六二~一八四八)著。一七九二年序。佐藤成裕は江戸生まれの本草家。関八州を皮切りに、薩摩、白河、米沢、会津、備中松山の諸藩から招かれて、天然産物を調査し、最後は水戸藩の植物方、弘道館本草教授として、後進の教育にあたった。本書は薩摩時代(一七八一~一七八三年)に同国各地を調査した折りの成果を纏めたもの。附録の薩州産物録は、動植物など約一○○種を記載する。この部分を採録した。
     一、薩摩州蟲品(附日向大隅琉球諸嶌) 国立国会図書館 八五三・一八六
 木村蒹葭堂著。成立年不明。磯野直秀(『日本博物史年表』)によれば、蒹葭堂は島津重豪から虫などの標本を贈られ、その内、虫・食害のないものについて、線画二八九種、虫・食害のあるものは、名称のみ八三種、計三七二種を記録したという。大半の虫類に産地、方言が添えられている。薩州とあるが、琉球産のものが多い。大隅産もかなりある。

一、南嶋誌         独立行政法人国立公文書館 一七六・一三四
 市川正寧著。(一八七四年序)。薩南諸島の大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島の地誌。その中から、耕耘、物産、禽獣、草木の四項目を摘録した。
 なお、本書の内、徳之島、沖永良部島、与論島の部分は別本として刊行されている。

 以上、ご所蔵の貴重な古文書の復刻刊行をご承認くださった国立国会図書館と独立行政法人国立公文書館に対しまして、厚くお礼を申し上げます。
 
二○○四年六月環境の日
                                          編者識 














II-XVIII

豊後国誌            国立国会図書館 一九九|七四
 唐橋世済著。世済は一七三六年江戸に生まれ、父の跡を継いで儒医となる。一七八四年豊後岡領主●●家に侍医として招かれ、かつ医学校教授を勤めた。一八○○年没。『豊後国誌』九巻はこの間の編集である。書中の動植物、産物に関する記事を採録した。

久留米小史

筑後志        独立行政法人国立公文書館・内閣文庫 一七六|八八
杉山正仲、小川正格著。正仲は久留米藩士、一七八五年講談所の講席掛。正格(一七三○|一八一四)は福岡藩士、町奉行。
 一七七七年『筑後志』を共著。書中の動植物、産物の関する記事を採録した。

肥後地誌略            国立国会図書館 一四六|一九四
 井沢長秀著。長秀は先に(一六九九年)肥後国誌(一七巻)を著したが、一七○八年に肥後侯の要請で献呈。その後一七○九年、手許に残った草稿に基づき本書を再編した。題して肥後地誌略(一○巻)。その産物を採録した。
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