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BRODE, Douglas
The Films of Dustin Hoffman
1983. first edition. Secaucus, N. J.: Citadel Press. 1 volume. 224 pages. many photographs . 8vo (220x286). ISBN 1-8065-0869-8.

ダグラス・ブロード
『ダスティン・ホフマン全仕事』

1937年にロサンゼルスで生まれたダスティン・ホフマンのブロードウエイ演劇界へのデビューは、1961年のことであった。その後、ニューヨークの演劇界、テレビ界で俳優としてのキャリアを積み重ねながら、ハリウッド映画界でのデビューを心待ちにする毎日であった。そして、ハリウッド映画界で、本格的に主演俳優として認められたのは、マイク・ニコルズ監督に抜擢された、1967年製作の青春映画『卒業』によってである。1979年製作の『クレイマー・クレイマー』(ロバート・ベントン監督)では、妻に逃げられた哀れな男の子育て物語をユーモアとペーソスをもって演じ、ついにアカデミー賞の栄冠を勝ちえるに至ったのである。本書は、ダスティン・ホフマンの出演した主要な十七本の映画を、豊富な写真を活用しながら批評し、読者を映画の世界へと誘おうとする構成を用いている。これらの映画の、出演俳優やスタッフの氏名も掲載されていて、非常に研究に有利な内容と言える。上記の二作品の他に、端役として出演した『ザ・タイガー』(アーサー・ヒラー監督、1967年)、現代の都会人の孤独を強烈に表現した『真夜中のカウボーイ』(ジョン・シュレシンジャー監督、1969年)、『マディガンの百万ドル』(スタンレイ・プラガー監督、1969年)、現代の男女の恋愛の在り方に迫った『ジョンとメリー』(ピーター・イエーツ監督、1969年)、アメリカのインディアンに扮した『小さな巨人』(アーサー・ペン監督、1970年)、『クレイマー・クレイマー』(ロバート・ベントン監督)、『ハリー・ケラーマン物語』(ウル・グロスバード監督、1971年)、追い詰められて暴力的にめざめる教師をみごとに演じきった『わらの犬』(サム・ペキンパー監督、1972年)、実話に基づく孤島の刑務所からの脱走物語『パピヨン』(フランクリン・J・シャフナー監督、1973年)、『アルフレード、アルフレード』(ピエトロ・ジェルミ監督、1973年)、実在の歌手の生涯を描いた『レニー・ブルース』(ボブ・フォッシー監督、1974年)、ウォーターゲート事件に題材をとった『大統領の陰謀』(アラン・J・パクラ監督、1976年)、『マラソンマン』(ジョン・シュレシンジャー監督、1976年)、『ストレート・タイム』(ウル・グロスバード監督、1978年)、推理作家アガサ・クリスティーの謎の失踪事件の真相に迫るジャーナリストを演じた『アガサ--愛の失踪』(マイケル・アプテッド監督、1979年)などが掲載されている。